11月の全体会は、褥瘡委員会より『褥瘡予防からQOL向上へつなげるポジショニング』と題して、研修報告とその実践研究についての発表がありました。
褥瘡とは、長時間同じ姿勢を続けること等により皮膚表面に圧力がかかり、血行不良となって周辺組織に壊死を起こすことをいいます。当施設では、褥瘡のできにくい体圧分散マットレス(無圧マットまたはエアーマット)を全ての利用者様に使用していただいています。一方で、力任せに介助を行ったり、衣服を引っ張ったりする介助を行うことでも褥瘡の原因となります。こうした悪い例をパワーポイントで説明した後、褥瘡を予防するための正しい移乗の仕方を、委員が実演しながら説明しました。
次に、クッションなどを使用して対象者の姿勢を安全で快適に保持する環境作り(ポジショニング)についての発表がありました。ポジショニングを行うことで褥瘡を予防できるのはもちろん、拘縮・変形の予防、呼吸の改善など、様々な効果が得られます。研修で学んだことを利用者様に実践したところ、車いすに座った際の姿勢の傾きが改善されたり、食事のむせが無くなったりといった効果が現れました。今後は対象者を少しずつ増やし、一人ひとりに適切な姿勢を保持することで、快適な眠りや活動の促進といった生活の質を向上させていきたいとのことでした。
褥瘡委員会の発表の後、(株)モルテンの担当の方をお招きし、マットの上に圧力センサーを敷いて、仰向けになった時にどこに体重がかかっているか、そしてポジショニングを行うことでどのくらい圧力が分散されるかを見せていただきました。また、リクライニングの上げ下げで生じる皮膚のずれを取り除く背抜き・圧抜きの効果や、最新のクッションやマットレスの紹介もあり、今後ポジショニングを行う上でとてもわかりやすく参考になりました。
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